陽の当たる道を目指す

過去の体験談とか趣味の話をつらつら書いてきます。本の話がやや多めかも。暇つぶしくらいにはなれるように頑張ります



語源になった小説を紹介する【多分明日使える!雑学】

タイトルの通りです。

 

・復活

  トルストイの長編小説。髪飾りのことをカチューシャといいますが、これは、日本でこの小説が舞台化されたとき、ヒロインの「カチューシャ」を演じていた女性が付けていた髪飾りが語源です。

 

この復活という小説ですが、トルストイの長編の中では、比較的読みやすいと思いました。

その理由は登場人物が少ないからです。アンナ・カレーニナも内容はそれほど難解ということはないですが、ヴロンスキーとオヴロンスキーみたいな似た名前の人物が出てきたり、視点がアンナ視点になったり、別の人物になったりで、ちょっとややこしくなります。戦争と平和に関しては途中で挫折しました。

 

それに比べて復活はまあ主人公のネフリュードフとヒロインのカチューシャだけおさえておけば、ストーリーは理解できるし、ほぼネフリュードフ視点なので、混乱することはないと思います。

 

あらすじとしては、裕福な生活をしているネフリュードフ公爵が、ある日陪審員に選ばれ裁判に出廷すると、被告人席にははかつて自分が遊び半分で付き合って、深く傷つけたカチューシャの姿が。彼女はネフリュードフに捨てられた後、娼婦にまで身を落とし、さらに殺人の容疑がかけられていた。

それまでカチューシャの存在自体を忘れていたネフリュードフであったが、初めて罪の意識が芽生え、彼女を助けるために奔走する、という感じです。

 

ちなみに同じくアクセサリーのシュシュはフランス語で「お気に入り」という意味の言葉だそうです。

 

復活 (上巻) (新潮文庫)

復活 (上巻) (新潮文庫)

 

 

 

 ・ロリータ

ナボコフの小説。幼女や少女に対する性的思考を意味するロリータ・コンプレックスの語源になりました。

 

内容としては、主人公ハンバートの、少女ロリータへの愛の物語です。ロリコンというと、まあイメージとしてはヤバいやつという感じだと思いますが、元祖ロリコンのハンバートも相当ヤバいやつです。ロリータに合法的に近づくために、その未亡人のお母さんと結婚してしまうくらいですから。

 

決して読みやすいわけではなく、さわやかな話でもないですが、ネタにはなるし、読んでおいて損はないと思います。

 

ロリータ (新潮文庫)

ロリータ (新潮文庫)

 

 ちなみにロリコンとは逆に男の子が好きな人のことをショタコンと言いますが、これは正太郎コンプレックスの略で、鉄人28号の主人公、金田正太郎くんから来ています。

 

 

・ロボット

すっかり定着したこの言葉ですが、語源はチェコのSF作家、チャペックの小説「R.U.R」です。(邦題は「ロボット」)

ロボットは強制労働を意味するロボタをもじった、チャペックの造語だそうです。

 

個人的にこのロボットという小説、というか戯曲の凄いところは、今でもロボットものの作品が扱うようなテーマがすでに殆ど入っているという点です。(ロボットを奴隷同様に扱い驕り高ぶる人間、ロボットの反乱、ロボットに感情はあるのか?愛はあるのか?など)

これらがかなりコンパクトにまとめられています。

 

ロボット (岩波文庫)

ロボット (岩波文庫)

 

 

 

 

以上3作、全ておすすめなので興味があればぜひ。