陽の当たる道を目指す

過去の体験談とか趣味の話をつらつら書いてきます。本の話がやや多めかも。暇つぶしくらいにはなれるように頑張ります



林家九蔵襲名取りやめ問題について、どこよりも簡潔な解説と、個人的見解

落語の世界も、プロレス団体並みにややこしく、ドロドロしています。

 

笑点でお馴染みの三遊亭好楽が、愛弟子の三遊亭好の助に、自身が以前名乗っていた林家九蔵を継がせようとしたところ、9代目林家正蔵がこれに異議を唱えたため、取りやめになったという前代未聞のニュースが起きました。

詳細はここらへんを読んでいただければと思うのですが、けっこう複雑なんですよね。

落語家って似たような名前が出てくるし。

 

www.hochi.co.jp

 

 

おそらくこの問題を詳しく理解しようと思ったら、かなり遡って、林家正蔵という名跡から解説しなくてはならなくなりますが、自分もそこまで詳しくはないので、最近の出来事のみに絞ります。

 

まず、三遊亭好楽の師匠。

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8代目林家正蔵林家彦六

芝居噺や怪談噺を得意とし、林家正蔵の名跡をさらに高めたとされ、数々の賞を受賞した、落語界のレジェンドの1人です。

 

 この方も襲名問題で少しもめたため、本来襲名するはずだった5代目柳家小さんの名跡を襲名できませんでした。で、替わりに海老名家から、1代限りの約束で、林家正蔵の名跡を借り、8代目林家正蔵を襲名します。

その後約束通り、林家正蔵の名跡を海老名家へ返還し、自身は林家彦六を名乗ります。

 

この、8代目林家正蔵を名乗っていた時にとった弟子の一人が、林家九蔵(後の三遊亭好楽)でした。

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笑点のピンクでお馴染みですね。

 

 

 

林家九蔵は、師匠・彦六の死後、円楽一門会の5代目三遊亭圓楽(前の笑点の司会者)門下に移籍。ここで、三遊亭好楽を名乗るようになります。

 

そして今年、三遊亭好楽の愛弟子、三遊亭好の助の真打ち昇進の際に、林家九蔵を襲名させようとします。

好楽からすると、兄弟子である、林家木久扇の了承を得て、筋は通したと考えたようですが、そこに待ったをかけたのが、9代目林家正蔵でした。

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 林家こぶ平のイメージが強いですが、海老名家の人間であり、

落語協会の副会長を務めています。

 

 

 

 

9代目林家正蔵からすれば、落語協会を出ていき、林家から三遊亭に名前を変えた人間が、弟子に林家を襲名させるのはどうなのか、という主張です。

8代目林家正蔵がつけた林家彦六という名跡を、林家正蔵の名跡を持つ海老名家の許可なく使用することは許されない、とも考えたのかもしれません。

 

‥どうでしょうね?

自分の見解としては、林家九蔵は、師匠・林家彦六からもらった名前であり、彦六門下の兄弟子である木久扇に許可をとったこと、落語の協会もいくつかに分かれており、同じ屋号の落語家が違う協会に属している例も珍しくないことから、特に問題ないと考えているのですが。

そしてこの待ったをかけるタイミング。落語協会の重役である、林家正蔵が、今回の件について今知ったわけではないはずなのに、幟や招待状まで林家九蔵で作ったこの時期に言ってくるところにこの家の性格の悪さを感じます。

 

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ただまあ、非常にめんどくさい一家であることは部外者から見ても明らかなので、好楽さんもお伺いはたてておくべきだったかもしれませんね!