意外と知らない!?『応仁の乱』
戦国時代は好きなんですけどね。
応仁の乱となると、戦国時代のキッカケとなった事件、くらいの認識しかありませんでした。
戦国時代はけっこう詳しいと思ってる自分ですが、これはよろしくないぞってことで読んでみました。
この本の特徴は、興福寺のトップである経覚と尋尊を主人公としていることです。
これは、応仁の乱の資料として、経覚の書いた経覚私用鈔と、尋尊の大乗院寺社雑時記が重要であることのほかに、応仁の乱には寺社も大きく関わっているためです。
当時大和の国は多くの家が小さな小競り合いを続けており(本によると、機内の火薬庫)、その解決のために興福寺も奔走していました。時には幕府に働きかけたりして、何とか平和を保っている状態でした。
しかしこれが後々騒動が複雑化する要因となっていくんですね。家の跡継ぎ騒動に寺社や幕府が関わることになってしまう。
そりゃ応仁の乱理解するのは大変だなというボリュームです。
畠山家だけでも多くの兄弟子供たくさんの人物が登場し、それが対立したり。これ誰だっけ?誰の味方だっけ?とページを戻って確認することも1度や2度では済みません。
まあでも、読む前と比べたらだいぶ理解できたし、何より読んでいて面白い。武士、寺、幕府とそれぞれの思惑がぶつかり合いながら、応仁の乱という不可避の大乱に向かって進んでいく過程は、下手な作り話にはないハラハラ感があります。
それと、雑学的な部分も充実しています。
例えば、「日本で最初の有料ダンス・ホール」ができたのはこの時代だそうです。また、「林間」といわれる、風呂・宴会の文化についての考察も興味深いです。
以前へうげものの感想を書きましたが、合戦のような派手さはないものの、文化についての話も地味に面白いですね!