『翻訳できない 世界のことば』わびさび、木漏れ日、あの言葉も?
普通の本屋では別にそうでもないのに、同じ本をヴィレッジヴァンガードで見ると買いたくなる現象。
あると思います。
タイトルの通り、翻訳できないorするのが難しい世界の言葉を紹介している本です。
ぱっと思い浮かんだのが「もったいない」という言葉。
数年前に話題になった言葉ですが、外国語にこれに相当する言葉ってなかなか無いそうですね。
ってことはそもそも「もったいない」という感情もあまりないってことなんでしょうか。
こういう言葉を知るとそれぞれの国の特徴や考え方も見えてくる気がします。
この本は外国の方が書いた本ですが、日本語も幾つか紹介されています。
特に気になったのが、「BOKETTO」です。ぼけっと。
作者はこう訳しています。
なにも特別なことを考えず、ぼんやりと遠くを見ているときの気持ち。
さらに作者はこの言葉にこんなことを言っています。
日本人が、なにも考えないでいることに名前をつけるほど、
それを大切にしていることはすてきだと思います。
いつもドタバタ忙しいくらしのなかで、
あてもなく心さまよわせるひとときは、最高の気分転換です。
和英辞典を見てみましたが、確かにしっくりくる単語はありませんね。
日本だと「ぼけっとするな!」みたいにマイナスのイメージであることも多いですが、外国の人からは、また見方が違うんですね。
他に外国語で印象に残ったものをいくつか。
モーンガータ(スウェーデン語)
水面にうつった
道のように見える月明かり
ロマンチック!
こーゆう単語があるってことは、スウェーデンは空気が澄んでいて、自然も綺麗なんだろうなあってわかりますね。
そして、スウェーデン人がそんな風景をとても特別に思っていることも。
ポロンクセマ(フィンランド語)
トナカイが
休憩なしで、疲れず
移動できる距離。
これも面白い言葉ですね。
どういう風に使うのかは想像しにくいですが、フィンランドがどんな国か、この言葉があるというだけで、少しイメージできますね。
ちなみにポロンクセマは約7.5㎞だそうです。
ジャユス(インドネシア語)
逆に笑うしかないくらい
じつは笑えない、
ひどいジョーク
インドネシアにはこれにちゃんと名前がついているのか。
日本でもこういうは感覚ありますよね。
ヴァルトアインザームカイト(ドイツ語)
森の中で一人、
自然と交流するときの
ゆったりとした孤独感
以前ドイツ文学について書いた記事で、ドイツ文学の特徴として、森の中を歩くような独特の陰鬱さがあると書きましたが、ドイツ人にとって森を散策するという行為は馴染み深いことなんでしょうね。
もっともドイツ語は造語能力が高い言語であるという話は聞くので、この言葉も森を意味するヴァルトと、孤独を意味するザームカイトがくっついて作られた言葉っぽいですが。