平和への新しいアプローチ『非対立』
ネットワーク「地球村」の代表を務め、平和のための活動を続ける高木善之さんの著書。
この方を知ったのは、以前ブログにも書きましたが、『絶望に効く薬』という漫画を読んだからです。。
絶望に効くクスリ vol.9―One on one 革命的対談漫画 (ヤングサンデーコミックススペシャル)
- 作者: 山田玲司
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/02/05
- メディア: コミック
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↑高木さんが登場するのはこの巻。
みなさんいろいろありましたね‥
高木善之さんは、フロンガスの撤廃など、実際に環境問題の解決に貢献しているすごい人です。
彼は学生時代、学生運動に参加し、戦争反対や安保反対を訴えていました。
彼の所属していたグループは、非暴力を理念にしていましたが、ある日機動隊と乱闘になり、死傷者が出る大事件になってしまいました。
そこで高木さんは学生運動から離れ、なぜこのような事件が起きてしまったのか何年も考えます。そしてあることに気付くわけです。
それは、抗議やシュプレヒコールなどで、警官に対して「暴力」をふるっていたということです。
怒りや正義感は、『対立』という名の暴力だったのだ!
「暴力」を振るわなくても、怒りと正義感がある限り、相手には暴力なのだ!
そして筆者はついに『非対立』という考えにたどり着きます。
非対立は対立しないことだが、我慢することや諦めることではない。
「非対立」は「避対立」ではなく、「対立せずに問題を解決すること」なのだ
具体的なことまではここでは書きませんが、自分なんかは、理想論すぎる気もしてしまいます。また、主義主張を対立の原因として否定していますが、本のなかで、安倍政権を批判していたり、そこらへんはどうなのかという気もします。
しかし、非対立という考え自体は素晴らしいもので、その実現のために頑張っている筆者もまた立派であることは事実です。
また、読み物としても、筆者がフロン全廃を求めて社長と話すエピソードは面白いです。(このエピソードは絶望に効く薬にも載っていました。)
それから、以前、『自分のなかに歴史を読む』という本の感想を書きましたが、そこで、「わかる」とは何か?というところが1番興味深かった、と書きました。
「解るというのはそれによって自分が変わるということでしょう」
という言葉を引用しましたが、高木さんも同じことを言っていることに驚きました。
「わかる」はもともとの日本語としては「分かる」と書き、「過去と分かれる」「過去と決別をする」という意味なのだ。つまり、「本当にわかれば人が変わる」という意味なのだ。
わかる=変わる はすごい人の共通認識なんですね!