究極の、意外な犯人!!『最後のトリック』
またしても本の帯に惹かれて購入してしまいました!
この物語は、とあるミステリー作家の元に、一通の手紙が届くところから始まります。
その内容は、ミステリー界最後の不可能トリックのアイデアを、2億円で買って欲しい、というもの。
少し長くなりますが一部引用。
要するにそれは、《本格物》をミステリーの王道たらしめていた《意外な犯人》のパターンが、
いい加減出尽くしてしまったということです。
探偵が犯人、被害者が犯人、死人が犯人、動物(オランウータン、へびなど)が犯人、事件の記述者が犯人、自然現象(風や雪など)が犯人、物心をつかないような子供が犯人、さらにはその場にいた全員が犯人、事件を担当した法医学者が犯人などなど‥
今までそれこそ星の数ほどの人間が犯人役をつとめて来ましたが、それがとうとう出尽くしてしまったのです。
ところが実はたった一つだけ、いまだ誰も実現させていない最後の不可能トリック、究極の《意外な犯人》というものがあるらしいのです。
それは一体何でしょうか?
ミステリーの関係者、あるいは愛読者ならご承知のことでしょう。実はもうずっと以前から言われ続けているのです。
それはずばり、《読者が犯人》というものです。
読み終わって本を閉じた読者に、「私が犯人だ」と言わせることができれば、作者の勝ち、というわけです。
果たして、この手紙の送り主は何者なのか?
そして、読者が犯人、というトリックとは?
読み終わってまず思ったのは、
お、おう、確かに読者が犯人‥なのか?
という感じでした。
まあでも読み返すと、本当によく出来ています。
ちょっとした場面や会話も、実は伏線になっています。
仮にトリックに納得出来なかったとしても、この小説を面白くなかった、と思う人は少ないのではないでしょうか。
というわけで自信をもってオススメできます!!