陽の当たる道を目指す

過去の体験談とか趣味の話をつらつら書いてきます。本の話がやや多めかも。暇つぶしくらいにはなれるように頑張ります



悶々漫画の金字塔!『徒然チルドレン』

同じ学校を舞台に、いろいろな人物が、いろいろな恋愛を繰り広げるオムニバス形式の漫画です。

青春っていいなあと思いつつ、自分もこんな青春時代を過ごしてみたかったなあと悶々としてきます。

 

徒然チルドレン コミック 全12巻セット

徒然チルドレン コミック 全12巻セット

 

 

個人的に好きなのは、いかにもステレオタイプなオタクの山根くんと、おとなしめな女の子の栗原さんの話です。自分なんかのことを好きなわけがない、自分なんかといたら迷惑だ、と思っている山根君が意を決して告白する見開き1ページの場面はすごくよかったです。

あとは最初に登場した高瀬君と神田さんもいいですね。普通っぽくて。この2人のすれ違いから始まって、最後にやっとこの2人が結ばれて終わる。いいじゃないですか。

 

でも、正直他人の成功した恋愛なんて別に感動とかないんですよね。それより1番印象的だったのは失恋パターンのほうです。

天文部の加賀くんは、部長の笹原さんが好きで、告白するんですけど、笹原さんには彼氏がいて、断られてしまうわけです。そのときは、そこまでショックを受けていなかったんですが、そのあと、久しぶりに彼氏と会った笹原さんの見たことないくらいの笑顔を見て、思わず泣いてしまいます。切ない。

 

この話は、クラスは違えど、同じ学校の話なので、読んでいくうちに、登場人物の人間関係が徐々にわかってきます。誰と誰が仲が良くて、誰が上位グループに属していて、誰が下位グループなのかとか、相関図がイメージ出来るところも面白いです。

綿矢りささんの蹴りたい背中という小説の書き出しは、わりと有名だそうですが、もう少し読み進めると、こんな一文が出てきます。

高校に入学してからまだ二ヵ月しか経っていないこの六月の時点で、クラスの交友関係を相関図にして書けるのは、きっと私くらいだろう。
当の自分は相関図の枠外にいるというのに。

主人公のハツの孤独を表現した文章ですが、孤独と同時に快感もあったんじゃないかなと思います。高みの見物みたいな。

 

新しくドラマが始まるとき、テレビジョンとかの登場人物の相関図を熱心に見るタイプの人は楽しめると思います!

 

 

蹴りたい背中 (河出文庫)

蹴りたい背中 (河出文庫)